2007年 11月 10日
名古屋遠征・秋のパノラマカーまつり部品バザー |
6時起床。戦いの朝である(笑)。しかし、いつもと違って今日はすでに即売の順番は確保済みなのですごく気が楽。イトーヨーカドーなどがあって開けた方とは逆の東口から駅へ。朝食は改札の向かいにある7時オープンのロッテリアでゆったりといただいた。あとは8時の点呼に間に合えばいい。ホームへ降りると1駅だけのお相手は
パノラマカーキタワァ*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。.
1駅だがヲタとして先頭パノラマ席乗車は礼儀である(笑)。その割に犬山遊園で降りた同業者はパノラマ席含めてそんなにいなかったが。
駅前には数十人ほどいた。しかも列車が着くたびその数は増すばかりである。名簿も再セットされており、数が増えて100人を超えていた。そして8時。説明を兼ねた整理券配布が行われる。2列縦隊を組み、確認しながら整理券が配布されていく。だいたい50番過ぎくらいの番号だったように思う(なんせ半年近くたった翌年3月にこの記事を書いているので忘れてしまった)。ルールは要整理券なのは行先板や大物、レア物などが中心の「特選販売品」で時間差で順次入場、1人2品までであった。一方、「鉄道小物」というコーナーも別に設けられ、こちらは整理券不要、制限点数なしである。「特選販売品」は何があるのかを9時から数十分ほど、「内覧会」として商品を確認することができる。あらかじめ品定めしてもらうことでスムーズに販売を進めようというものである。基本的には市ノ坪のイベントとルールは同じようなものであった。
さて、今回の即売会は「公式名簿」があるため順番取りに安心感があったのだが、やはりトラブルは起きていたようである。公式名簿スタートの金曜日朝10時より前にすでに非公式名簿があったようで、それを公式名簿へ移す際に、名簿に名前だけ書いて10時に犬山遊園にいなかった人物をどうするかでひと悶着あったようである。あいにくその場合どうするかを明確にしていなかったらしく、結果、ルールがないため排除する理由がないことから結局非公式名簿は全員有効扱いということになったそうである。これは立場によってどう評価するかは分かれるところであるが、「我々も今後も楽しんでもらえるよう努力するので、皆さんも協力して欲しい」とのイベントスタッフからの言葉とともに、「今後は公式名簿引継ぎ時点で現場にいない場合は失格」というルールが伝えられていた。売るけど順番その他は(言い方悪いけど)勝手にどうぞというのが主流ななかで、名鉄のイベントだけは主催者もある程度労力を使って管理してくれているというのは(血眼になって狙いにいく輩は困るだろうが)気にかけてくれていることを感謝してもいいだろうし、協力しなければならないのではと思うのだが。…ま、過去トラブルも起きてるらしいし、名鉄の部品セールは動く額も半端じゃないので何かあっては困るということもあるからだろうが。
9時まではしばし自由行動である。といっても周りには犬山橋とお寺、モノレールのりばに喫茶店くらいで静かな犬山遊園駅周辺。時間をつぶそうにも…というところだが、場内には「アンケートにご協力ください~」と回る数人のスーツ姿の人が数人。アンケート内容は「名鉄時刻表について」。ダイヤ改正のたびに発売され、私も極力手に入れる大きな冊子タイプのやつである。中身は内容とか値段とかよくあるやつであったが、ここに来る人ならユーザーである可能性は限りなく100%に近いことは容易に想像できる(笑)。うまいこと考えたものだ。回答の粗品は当時CMに起用されていたという名古屋グランパスエイトの本田(サッカー興味ないからよう知らんけど、今は欧州のクラブへ行ったそうで)を載せた「ミュースカイ」のPRクリアファイルをもらった。
そして9時。内覧会の開始である。「特選販売品」はほかの販売品とは別の建物で行われる。果たして何が出るんだろうか・・・。今回は最低方向幕確保、あわよくば系統板というのが目標だった。開場から数分たち、入場…。
すげぇ…。
画像はほんの一部である。系統板関係は100枚はゆうに出ていた。また、画像のほかにも信号や車両関係のプレート、運賃表、車体ナンバー、灯具類、座席、小物類などありとあらゆるものが決して狭くない会場いっぱいに所狭しと並べられていたのである。総数は何百点、ひょっとすると1000点近いのではないかというくらいである。もう、品定めというよりは博物館に入ったような感すらあり、もうこれだけでお腹いっぱいという感じになってしまった。ただ、方向幕がまったくない。…ということは幕は「鉄道小物」の方である。「特選販売品」は整理券順の入場だが、「鉄道小物」は10時に一斉スタート。以前の市ノ坪と同じ状態になるのは間違いない。順番から考えると「特選販売品」への入場は10時を少し回ってからだからと戦略的に…もう少し早く気づけばよかったのだが。特選品の数々に見とれて気づいたのは開始30分ほど前。行ってみると「鉄道小物」会場前は何重にも列が曲げられたまさに長蛇の列で入るだけで何分かかるんだ??というような状態。しまった…。「特選販売の整理券を持ってても、番号が呼ばれるまでは小物に行っててもいい」とは聞いていたものの、小物に長くいてしまって特選販売の順番待ちに失敗しては大変だし。どうなんねん…という状況で10時を待った。時計が10時をさし、特選・小物とも入場が開始された。
ところが、案外列の進みが良く、さほど待たずに入場できた。さあ方向幕は…と探すまでもなかった。昼の恒例であるオークションの出展品と展示品の方向幕タイプのパノラマカー逆富士型行先板が置かれた入り口を入ると右手すぐに方向幕がまさに
山積みなのである(写真撮っときゃよかったかな)。他の即売会でもめったにお目にかかれないような量の方向幕が、しかもざっと区別されているのは「種別」「行先」の「前面」「側面」というだけであとは食料品の陳列カゴみたいなテーブルにてんこ盛りで置かれていた。一目で何百本あるのかわかんない??という量である。しかもそこに大勢が群がり、しかも幕の中身を開けて検品しまくっていた(検品不可のところが普通は多いのだが、その辺はおおらかなものである)。ただ、今回私はもしあれば先代の特急特別車用の紺地の行先幕が欲しかったのだが、それは今回ないとのこと。残念。それを聞くと、これだけの数なら後で行っても大丈夫だろうと見切りを付けて特選販売品コーナーへ急いだ。
整理券番号と点呼の間隔から考えてまだ余裕があるだろうと思って行ってみたところ既に残り数番のところまで迫っていてびっくり。もうちょっとのんびりしていたらトラブるところだった…。はやる気持ちを抑えながら、「どうぞ」の声を待つ。そして「どうぞ」の声と共に会場へ…狙うは系統板であるが…ん…?
目ぼしいのがなくなってる…。
行先板は主にレア度を吟味して決められているようで、「おっ!」というものは最高2万円の値がついていた。ほかもパノラマカー用は基本が1枚1万円というなかなかな値づけ。7700系などの縦型板も状態が悪くて5000円、良くてレアだと15000円であった。まあ行先板2枚でもいいが、値段につりあうだけのものがなあ…と逡巡。多少高くてもこれならというものはすでになくなっているし…。うーんと迷った挙句、縦型の一般板「新岐阜/太田川」をチョイスした。小さな頃から沿線外なのに名鉄を見ていたものとしては「名鉄岐阜」ではなく今も「新岐阜」の方がしっくりくる。「太田川」はよく使った駅だし。…余談だが、あとで板をよく見ると、「新岐阜」の面は重ね塗りされていて「はだか祭 新一宮」という文字が透けて見えた。これは国府宮で行われる「はだか祭」の見物客輸送の際の特別仕様の板だったのだろう。こういうのも変遷が見えて楽しいものである(ま、この表示のままだったらもっと値段はついていたんだろうけど(笑))。
さて、これで買えるのはあと1点。…とはいうものの、これが終ったら新幹線に2時間ばかり乗らないといけないので、あんまり大きなのは買えない。方向幕つき側面行先表示機なぞ20台くらい出ているのだが、機械は動作しないしサイズ的に難もある。うーん…と迷った結果、種別板「急行/回送」で落ち着いた。ま、5500系や7700系を撮るときこの種別板がついていたら気合の入り方も違ったものである。5000円。まあいいだろう。
さあ、そして鉄道小物へ。もうみんな検品しまくりでなかなか人がはけないが、好き放題してるわりに別にもめることもなくまったりしている。ということで私も検品しつつ傾向をチェック。いちおう手持ちなのは側面の行先種別が一本ずつある。行先は旧式のやつで特に問題はないのだが、種別が「試・普・準・急・高・回・団」という昔の基本タイプである。だが、種別一文字で英字のないやつにはこのほかに「特」か「快急」が入ったバージョンがあるはずなのだ。ところがこの2つの種別については必要最小限の形式にだけ入っているといわれており、あるかどうか微妙である。…まあとりあえず探してみよう。何本か幕を検品していく。「高」まで、「特」だけ、英字入り…とさまざま。幕ヲタなら出だしについている製造時期の刻印(小糸工業製なら100%ついているのだ)からおおよその判断はできるのだが、開いて開いて…としているうちに側面用種別で「試・普・準・急・高・回・団・特・快急」を発見!…!!!全部入ってるのなんてあったのか…。「1806 山」とマジックで書かれていたから1800系のものか。特急増結車である1800系は単独で快急に入っていたから「特」や「快急」があるのは当然なのだが、高速の表示も持っていたなんて…。前面もないかと探したがこちらは見つからず。「特」入りを見つけてこれをゲット。さて行先だが…名鉄の行先幕はあまり変遷がない。通勤型もパノラマカーも基本は同じである(かつての7045編成だけ大きく違うのだがあるはずもない)。せいぜい「犬山経由」の「経」の字が略字か正式なのかという程度だ。なので適当に持ってないというだけで正面用の大きなのを買っておいた。ちなみに正面行先5000円、側面行先3000円、種別は前横関係なく1000円であった。商売っ気があれば旧式にプレミア付けるとかあくどいことしてもよさそうだが、あんだけの量があったら分けるだけで日が暮れそうである(笑)。あとは、市ノ坪でも見た用途廃止とおぼしき振替乗車券が1綴り100円で売っていたので何種類か買っておいた。ダイヤグラムや号車番号札、方向幕の切り売りに各種雑品と名鉄ファンならあれもこれもといきたいところなのだが(号車番号札は市ノ坪で揃えてたけど)、収拾がつかなくなるのでガマン。
さて、まだ終らないんだよな…。岐阜サービスセンターが主催する入札というのもある。こちらは系統板が中心だが、妙にレアなやつがあったりする。系統板だけで40枚近く出ているし。入札だとオークションみたいに収まりがつかなくなって値がつりあがる危険性がないが、周りと腹の探りあいみたいに考えながら札を入れることになる。一気にはりこむほどの財力はない。ダメもとで、でもちょっと本気気味に6つほど入札に参加してみておいた。発表はオークション終了後である。
とこれでひとまず販売関係は終わりである。あとはネット上で毎回その値段の高騰ぶりに驚きを通り越して呆れられるオークションを待つばかりとなった。その前に、お昼時なのだが喫茶店が周りに数件ある程度。なので、なぜかこんなイベントで出張販売していた「飛騨牛まん」なる屋台に行ってその「飛騨牛まん」を買った。値段は肉まんとしては結構高かったのだが、高いなりにジューシーな味であった。まあこんだけの値段がするならおいしくなきゃおかしいし…。聞いてみたら、普段は高山で売っているらしい。検索してもそこそこヒットしたしテレビで紹介もされているらしい。なんでそれがこんなイベントに来ているのかは謎だが…。
1時が近づき、オークションの準備が急ピッチで行われていた。が、なんとそこで急に雨が降り出す。しかもスコールのように激しい雨。過熱必至のオークションの熱を冷ますため…なんてうまいこと言っても仕方ないが、急遽テントが張られ少し遅れてオークションが開始された。名鉄部品バザーのオークションはイベント最大の中心イベントであり、また最もお金の動き方が半端でないイベントである。それだけにスタッフの進行も盛り上げ方を心得た手慣れたものであり、また、参加者もマジで落としにかかるためガチンコ勝負が展開される。ご丁寧なことに、今回は参加者に落札予想や結果が書き込める出品リストまで配られていた。
出品の品の一部
スタートは特急施策の変更により姿を消し始めていた「パノラマSuper」全車特別車編成の1105号車の車体車番プレート、車内車番プレート、製造銘板一式。スタートは2万円。基本的に状態の良い超レア品中心なため高額になるのは目に見えている名鉄オークションははじめからスタート金額は高めなのだ。中途半端では入札できないためすぐに争いは少人数になっていく。しかし1対1になると意地の張り合いになってなかなか降りられなくなってしまい、徐々に値段が開始の2倍、3倍となっていくのである。結局この商品は5万円で落ちた。全部で56も商品があったのでいちいち書いてられない。パノラマSuper、一般系統板、岐阜の路面電車幕、と来てパノラマカー特集その1が来た。車番や系統板が次々落札されていく。そして、目玉その1が「小富士」と呼ばれる全車指定席仕様の白帯車編成に付けられていた前面行先表示器の字幕装置版である。パノラマカーの「逆富士型」と呼ばれる行先表示板はデザインの秀逸さとパノラマカーの象徴的な存在もあってオークションのたびに驚愕の値で落札されていく最大の目玉商品。電動装置が可動することもあって25万円からスタートしていったのだが、他の商品だとパラパラとコールするの程度にこれになるとあっちこっちからコールが起きてドーンと値が吊り上がって行った。結果、80万円・・・。
途中に「黒野乗務区の焼印が入ったハンガー」なんていう小ネタも出たがこれも開始の5倍の値がつく。ま、200円が1,000円だが…。そういうのも挟みつつオークションが進んでいく。人気の高い運転台の木製時計・運転カード挿しに稼働する時計、その他運転士が持つ道具一式入った「運転士セット」が7倍以上の14万5千円になったり、一方でイラスト系統板「名鉄杯 サプライズ!(明石家さんまのシルエット入り)」が唯一の「不落」となったりと波乱も巻き起こしつつ、残りが少なくなり再びパノラマカー特集その2.その中でも「みなさんは緑色を見ると目の色が変わりますね~」との進行スタッフの発言に爆笑が起きた全車指定席用パノラマカー用緑色系統板「犬山新鵜沼/碧南・豊田市」が系統板最高の13万円を記録、そして大ラスは「小富士」のめくり板式行先表示板であった。こちらは「日本ライン」とか「三河湾」といった使い道のない表示をシールで書き換えてしまっており、その点はがっかりではあるのだが、やはり30万円でスタート。ラストも旺盛な入札コールの応酬の後、1対1の争いへ持ち込まれ、最終的には80万5千円で落札となった。…どんだけみんなお金もってんねん…という空気も流れつつ、興奮のオークションは約1時間半かけて幕を閉じた。落札総額っていくらなのかしら…結果表はまだあるけど、計算するのはやめておこう(笑)。ちなみに私は系統板で2、3回コールしたが一瞬で負けました(笑)。
これでほぼイベントも終了。全体の終了も午後3時なので即売の会場も店じまいにかかっていたが、最後に岐阜サービスセンターの入札結果の発表がある。こちらはオークションとは違ってしごく地味に行われた。落札額も非公表。入札用紙の半券と引き換えにもくもくと商品の引き換えが行われる。…で、おっと!ひとつ落札。そして、おっと!ふたつ目も呼ばれた…と思ったが、同額入札がもうひとり。ということでジャンケンによる同点決勝になったのだが、…勝った(笑)。こういう時ってたいてい負けるのに。ってことで最後に系統板2枚が仲間に加わってこれでホントに終了となった。まあ、用意のいい名鉄イベントのこと、系統板がすっぽり隠れる不透明のナイロン袋が渡されているので、帰りも安心である(このナイロン袋、ほかのイベントのときも結構重宝するんだわ(爆))。
夕方なのでエクスプレス予約による新幹線帰宅を選択。名古屋最後は新幹線ホームで立ち食いきしめんを食して締めである。パノラマカーの引退がホントに間近となってしまった今、慣れ親しんだ頃の名鉄の面影はどんどん消えていっている(だからって名鉄ファンなのは変えられないけど)。だから、せめてその頃を彩ってきた物を手元においておきたいと思う。…なので、またこの機会があったら行くのは現時点ですでに確定かな。
パノラマカーキタワァ*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。.
1駅だがヲタとして先頭パノラマ席乗車は礼儀である(笑)。その割に犬山遊園で降りた同業者はパノラマ席含めてそんなにいなかったが。
駅前には数十人ほどいた。しかも列車が着くたびその数は増すばかりである。名簿も再セットされており、数が増えて100人を超えていた。そして8時。説明を兼ねた整理券配布が行われる。2列縦隊を組み、確認しながら整理券が配布されていく。だいたい50番過ぎくらいの番号だったように思う(なんせ半年近くたった翌年3月にこの記事を書いているので忘れてしまった)。ルールは要整理券なのは行先板や大物、レア物などが中心の「特選販売品」で時間差で順次入場、1人2品までであった。一方、「鉄道小物」というコーナーも別に設けられ、こちらは整理券不要、制限点数なしである。「特選販売品」は何があるのかを9時から数十分ほど、「内覧会」として商品を確認することができる。あらかじめ品定めしてもらうことでスムーズに販売を進めようというものである。基本的には市ノ坪のイベントとルールは同じようなものであった。
さて、今回の即売会は「公式名簿」があるため順番取りに安心感があったのだが、やはりトラブルは起きていたようである。公式名簿スタートの金曜日朝10時より前にすでに非公式名簿があったようで、それを公式名簿へ移す際に、名簿に名前だけ書いて10時に犬山遊園にいなかった人物をどうするかでひと悶着あったようである。あいにくその場合どうするかを明確にしていなかったらしく、結果、ルールがないため排除する理由がないことから結局非公式名簿は全員有効扱いということになったそうである。これは立場によってどう評価するかは分かれるところであるが、「我々も今後も楽しんでもらえるよう努力するので、皆さんも協力して欲しい」とのイベントスタッフからの言葉とともに、「今後は公式名簿引継ぎ時点で現場にいない場合は失格」というルールが伝えられていた。売るけど順番その他は(言い方悪いけど)勝手にどうぞというのが主流ななかで、名鉄のイベントだけは主催者もある程度労力を使って管理してくれているというのは(血眼になって狙いにいく輩は困るだろうが)気にかけてくれていることを感謝してもいいだろうし、協力しなければならないのではと思うのだが。…ま、過去トラブルも起きてるらしいし、名鉄の部品セールは動く額も半端じゃないので何かあっては困るということもあるからだろうが。
9時まではしばし自由行動である。といっても周りには犬山橋とお寺、モノレールのりばに喫茶店くらいで静かな犬山遊園駅周辺。時間をつぶそうにも…というところだが、場内には「アンケートにご協力ください~」と回る数人のスーツ姿の人が数人。アンケート内容は「名鉄時刻表について」。ダイヤ改正のたびに発売され、私も極力手に入れる大きな冊子タイプのやつである。中身は内容とか値段とかよくあるやつであったが、ここに来る人ならユーザーである可能性は限りなく100%に近いことは容易に想像できる(笑)。うまいこと考えたものだ。回答の粗品は当時CMに起用されていたという名古屋グランパスエイトの本田(サッカー興味ないからよう知らんけど、今は欧州のクラブへ行ったそうで)を載せた「ミュースカイ」のPRクリアファイルをもらった。
そして9時。内覧会の開始である。「特選販売品」はほかの販売品とは別の建物で行われる。果たして何が出るんだろうか・・・。今回は最低方向幕確保、あわよくば系統板というのが目標だった。開場から数分たち、入場…。
すげぇ…。
画像はほんの一部である。系統板関係は100枚はゆうに出ていた。また、画像のほかにも信号や車両関係のプレート、運賃表、車体ナンバー、灯具類、座席、小物類などありとあらゆるものが決して狭くない会場いっぱいに所狭しと並べられていたのである。総数は何百点、ひょっとすると1000点近いのではないかというくらいである。もう、品定めというよりは博物館に入ったような感すらあり、もうこれだけでお腹いっぱいという感じになってしまった。ただ、方向幕がまったくない。…ということは幕は「鉄道小物」の方である。「特選販売品」は整理券順の入場だが、「鉄道小物」は10時に一斉スタート。以前の市ノ坪と同じ状態になるのは間違いない。順番から考えると「特選販売品」への入場は10時を少し回ってからだからと戦略的に…もう少し早く気づけばよかったのだが。特選品の数々に見とれて気づいたのは開始30分ほど前。行ってみると「鉄道小物」会場前は何重にも列が曲げられたまさに長蛇の列で入るだけで何分かかるんだ??というような状態。しまった…。「特選販売の整理券を持ってても、番号が呼ばれるまでは小物に行っててもいい」とは聞いていたものの、小物に長くいてしまって特選販売の順番待ちに失敗しては大変だし。どうなんねん…という状況で10時を待った。時計が10時をさし、特選・小物とも入場が開始された。
ところが、案外列の進みが良く、さほど待たずに入場できた。さあ方向幕は…と探すまでもなかった。昼の恒例であるオークションの出展品と展示品の方向幕タイプのパノラマカー逆富士型行先板が置かれた入り口を入ると右手すぐに方向幕がまさに
山積みなのである(写真撮っときゃよかったかな)。他の即売会でもめったにお目にかかれないような量の方向幕が、しかもざっと区別されているのは「種別」「行先」の「前面」「側面」というだけであとは食料品の陳列カゴみたいなテーブルにてんこ盛りで置かれていた。一目で何百本あるのかわかんない??という量である。しかもそこに大勢が群がり、しかも幕の中身を開けて検品しまくっていた(検品不可のところが普通は多いのだが、その辺はおおらかなものである)。ただ、今回私はもしあれば先代の特急特別車用の紺地の行先幕が欲しかったのだが、それは今回ないとのこと。残念。それを聞くと、これだけの数なら後で行っても大丈夫だろうと見切りを付けて特選販売品コーナーへ急いだ。
整理券番号と点呼の間隔から考えてまだ余裕があるだろうと思って行ってみたところ既に残り数番のところまで迫っていてびっくり。もうちょっとのんびりしていたらトラブるところだった…。はやる気持ちを抑えながら、「どうぞ」の声を待つ。そして「どうぞ」の声と共に会場へ…狙うは系統板であるが…ん…?
目ぼしいのがなくなってる…。
行先板は主にレア度を吟味して決められているようで、「おっ!」というものは最高2万円の値がついていた。ほかもパノラマカー用は基本が1枚1万円というなかなかな値づけ。7700系などの縦型板も状態が悪くて5000円、良くてレアだと15000円であった。まあ行先板2枚でもいいが、値段につりあうだけのものがなあ…と逡巡。多少高くてもこれならというものはすでになくなっているし…。うーんと迷った挙句、縦型の一般板「新岐阜/太田川」をチョイスした。小さな頃から沿線外なのに名鉄を見ていたものとしては「名鉄岐阜」ではなく今も「新岐阜」の方がしっくりくる。「太田川」はよく使った駅だし。…余談だが、あとで板をよく見ると、「新岐阜」の面は重ね塗りされていて「はだか祭 新一宮」という文字が透けて見えた。これは国府宮で行われる「はだか祭」の見物客輸送の際の特別仕様の板だったのだろう。こういうのも変遷が見えて楽しいものである(ま、この表示のままだったらもっと値段はついていたんだろうけど(笑))。
さて、これで買えるのはあと1点。…とはいうものの、これが終ったら新幹線に2時間ばかり乗らないといけないので、あんまり大きなのは買えない。方向幕つき側面行先表示機なぞ20台くらい出ているのだが、機械は動作しないしサイズ的に難もある。うーん…と迷った結果、種別板「急行/回送」で落ち着いた。ま、5500系や7700系を撮るときこの種別板がついていたら気合の入り方も違ったものである。5000円。まあいいだろう。
さあ、そして鉄道小物へ。もうみんな検品しまくりでなかなか人がはけないが、好き放題してるわりに別にもめることもなくまったりしている。ということで私も検品しつつ傾向をチェック。いちおう手持ちなのは側面の行先種別が一本ずつある。行先は旧式のやつで特に問題はないのだが、種別が「試・普・準・急・高・回・団」という昔の基本タイプである。だが、種別一文字で英字のないやつにはこのほかに「特」か「快急」が入ったバージョンがあるはずなのだ。ところがこの2つの種別については必要最小限の形式にだけ入っているといわれており、あるかどうか微妙である。…まあとりあえず探してみよう。何本か幕を検品していく。「高」まで、「特」だけ、英字入り…とさまざま。幕ヲタなら出だしについている製造時期の刻印(小糸工業製なら100%ついているのだ)からおおよその判断はできるのだが、開いて開いて…としているうちに側面用種別で「試・普・準・急・高・回・団・特・快急」を発見!…!!!全部入ってるのなんてあったのか…。「1806 山」とマジックで書かれていたから1800系のものか。特急増結車である1800系は単独で快急に入っていたから「特」や「快急」があるのは当然なのだが、高速の表示も持っていたなんて…。前面もないかと探したがこちらは見つからず。「特」入りを見つけてこれをゲット。さて行先だが…名鉄の行先幕はあまり変遷がない。通勤型もパノラマカーも基本は同じである(かつての7045編成だけ大きく違うのだがあるはずもない)。せいぜい「犬山経由」の「経」の字が略字か正式なのかという程度だ。なので適当に持ってないというだけで正面用の大きなのを買っておいた。ちなみに正面行先5000円、側面行先3000円、種別は前横関係なく1000円であった。商売っ気があれば旧式にプレミア付けるとかあくどいことしてもよさそうだが、あんだけの量があったら分けるだけで日が暮れそうである(笑)。あとは、市ノ坪でも見た用途廃止とおぼしき振替乗車券が1綴り100円で売っていたので何種類か買っておいた。ダイヤグラムや号車番号札、方向幕の切り売りに各種雑品と名鉄ファンならあれもこれもといきたいところなのだが(号車番号札は市ノ坪で揃えてたけど)、収拾がつかなくなるのでガマン。
さて、まだ終らないんだよな…。岐阜サービスセンターが主催する入札というのもある。こちらは系統板が中心だが、妙にレアなやつがあったりする。系統板だけで40枚近く出ているし。入札だとオークションみたいに収まりがつかなくなって値がつりあがる危険性がないが、周りと腹の探りあいみたいに考えながら札を入れることになる。一気にはりこむほどの財力はない。ダメもとで、でもちょっと本気気味に6つほど入札に参加してみておいた。発表はオークション終了後である。
とこれでひとまず販売関係は終わりである。あとはネット上で毎回その値段の高騰ぶりに驚きを通り越して呆れられるオークションを待つばかりとなった。その前に、お昼時なのだが喫茶店が周りに数件ある程度。なので、なぜかこんなイベントで出張販売していた「飛騨牛まん」なる屋台に行ってその「飛騨牛まん」を買った。値段は肉まんとしては結構高かったのだが、高いなりにジューシーな味であった。まあこんだけの値段がするならおいしくなきゃおかしいし…。聞いてみたら、普段は高山で売っているらしい。検索してもそこそこヒットしたしテレビで紹介もされているらしい。なんでそれがこんなイベントに来ているのかは謎だが…。
1時が近づき、オークションの準備が急ピッチで行われていた。が、なんとそこで急に雨が降り出す。しかもスコールのように激しい雨。過熱必至のオークションの熱を冷ますため…なんてうまいこと言っても仕方ないが、急遽テントが張られ少し遅れてオークションが開始された。名鉄部品バザーのオークションはイベント最大の中心イベントであり、また最もお金の動き方が半端でないイベントである。それだけにスタッフの進行も盛り上げ方を心得た手慣れたものであり、また、参加者もマジで落としにかかるためガチンコ勝負が展開される。ご丁寧なことに、今回は参加者に落札予想や結果が書き込める出品リストまで配られていた。
スタートは特急施策の変更により姿を消し始めていた「パノラマSuper」全車特別車編成の1105号車の車体車番プレート、車内車番プレート、製造銘板一式。スタートは2万円。基本的に状態の良い超レア品中心なため高額になるのは目に見えている名鉄オークションははじめからスタート金額は高めなのだ。中途半端では入札できないためすぐに争いは少人数になっていく。しかし1対1になると意地の張り合いになってなかなか降りられなくなってしまい、徐々に値段が開始の2倍、3倍となっていくのである。結局この商品は5万円で落ちた。全部で56も商品があったのでいちいち書いてられない。パノラマSuper、一般系統板、岐阜の路面電車幕、と来てパノラマカー特集その1が来た。車番や系統板が次々落札されていく。そして、目玉その1が「小富士」と呼ばれる全車指定席仕様の白帯車編成に付けられていた前面行先表示器の字幕装置版である。パノラマカーの「逆富士型」と呼ばれる行先表示板はデザインの秀逸さとパノラマカーの象徴的な存在もあってオークションのたびに驚愕の値で落札されていく最大の目玉商品。電動装置が可動することもあって25万円からスタートしていったのだが、他の商品だとパラパラとコールするの程度にこれになるとあっちこっちからコールが起きてドーンと値が吊り上がって行った。結果、80万円・・・。
途中に「黒野乗務区の焼印が入ったハンガー」なんていう小ネタも出たがこれも開始の5倍の値がつく。ま、200円が1,000円だが…。そういうのも挟みつつオークションが進んでいく。人気の高い運転台の木製時計・運転カード挿しに稼働する時計、その他運転士が持つ道具一式入った「運転士セット」が7倍以上の14万5千円になったり、一方でイラスト系統板「名鉄杯 サプライズ!(明石家さんまのシルエット入り)」が唯一の「不落」となったりと波乱も巻き起こしつつ、残りが少なくなり再びパノラマカー特集その2.その中でも「みなさんは緑色を見ると目の色が変わりますね~」との進行スタッフの発言に爆笑が起きた全車指定席用パノラマカー用緑色系統板「犬山新鵜沼/碧南・豊田市」が系統板最高の13万円を記録、そして大ラスは「小富士」のめくり板式行先表示板であった。こちらは「日本ライン」とか「三河湾」といった使い道のない表示をシールで書き換えてしまっており、その点はがっかりではあるのだが、やはり30万円でスタート。ラストも旺盛な入札コールの応酬の後、1対1の争いへ持ち込まれ、最終的には80万5千円で落札となった。…どんだけみんなお金もってんねん…という空気も流れつつ、興奮のオークションは約1時間半かけて幕を閉じた。落札総額っていくらなのかしら…結果表はまだあるけど、計算するのはやめておこう(笑)。ちなみに私は系統板で2、3回コールしたが一瞬で負けました(笑)。
これでほぼイベントも終了。全体の終了も午後3時なので即売の会場も店じまいにかかっていたが、最後に岐阜サービスセンターの入札結果の発表がある。こちらはオークションとは違ってしごく地味に行われた。落札額も非公表。入札用紙の半券と引き換えにもくもくと商品の引き換えが行われる。…で、おっと!ひとつ落札。そして、おっと!ふたつ目も呼ばれた…と思ったが、同額入札がもうひとり。ということでジャンケンによる同点決勝になったのだが、…勝った(笑)。こういう時ってたいてい負けるのに。ってことで最後に系統板2枚が仲間に加わってこれでホントに終了となった。まあ、用意のいい名鉄イベントのこと、系統板がすっぽり隠れる不透明のナイロン袋が渡されているので、帰りも安心である(このナイロン袋、ほかのイベントのときも結構重宝するんだわ(爆))。
夕方なのでエクスプレス予約による新幹線帰宅を選択。名古屋最後は新幹線ホームで立ち食いきしめんを食して締めである。パノラマカーの引退がホントに間近となってしまった今、慣れ親しんだ頃の名鉄の面影はどんどん消えていっている(だからって名鉄ファンなのは変えられないけど)。だから、せめてその頃を彩ってきた物を手元においておきたいと思う。…なので、またこの機会があったら行くのは現時点ですでに確定かな。
by tetsuradiq
| 2007-11-10 23:00
| イベント