東京遠征・東武沿線撮影地めぐり |
各駅停車で1駅。西新井で下車。ラーメンを食べに来たのではない(笑)。2006年3月5日の記事で紹介した西新井~竹ノ塚の撮影ポイントへ向かうのだ。西口を出てせせこましい道を竹ノ塚方へ向かってくねくねと進んでいく。昨年訪れたときはちょうど昼過ぎ。南北に走る格好の伊勢崎線で南向きにカメラを構えると大逆光で、結局反対側から撮らざるを得なかった。なら、まだ日がさほど昇ってきてない時間なら撮れるだろうという目論見である。7時半に着いた。うむむ…日が昇ってきて早くも光線状態が微妙だ。
さて、このポイント。昨年も書いたが線路を遮る柵の高さが結構ある。といっても2~3mあれば諦めもつくのだが、ちょうど私の背に届くかどうかという微妙な高さである。なので、背伸びしてなんとか柵がかわせるというなんともやっかいなポイントなのだ。普段はむしろゲッ…と思える脚立が欲しくなる一瞬である。なにせ、背伸びして体を伸ばしているから安定性が弱いところにカメラも望遠を効かしているから余計にグラグラして撮影していた。傍から見たら相当滑稽だろうな…。人通りが少ないのが幸いだが。
西新井駅に戻る。時刻表を見るとなんかあまりゆっくりしてられないような感じである。この時点ではまだつぎにどこに行くか決めてなかったのだが、どっちにしろ南栗橋を1800系が発車する11時39分より前に通過していないといけない。時刻はまだ9時前。なんてことなさそうに見えて、実は南栗橋から先への列車が50分ほど抜けている時間帯があり(快速・区間快速がない)、このため駅間で撮ることを考えれば、もう先に進んでないとヤバいのだ。そこで、西新井9時13分の区間準急で春日部に行き、そこで快速に乗り換えというプランにした。で、である。まだ朝を食べてない。うーん。ここは西新井だ。いいにおいのする方を眺めると…「西新井らーめん」が開いている。朝からラーメンにさすがに多少の抵抗感はあったが、時間もないし選ぶ余裕はない。ふつうのラーメンを注文。おばさん準備開始。頼んでから作る律儀さは普段はうれしいが、こう時間がないときはちょっとイライラ(ごめんね)。数分でラーメンが出てきた。10分も時間はないがかきこむ…。あっさり醤油ラーメンだが、スープのノド越しがいい。これならたとえ寝起きでも食べられそう…。味わって食べたいけど時間がないし無念だがそそくさと食べ終える。やっぱりここのラーメンおいしいわ。また絶対来よう。食べ終わってほどなく、区間準急がやってきた。空いている区間準急に乗ってしばしゆったり。・・・どうせ快速は混んでるんだし(昨日乗ったやつだ)今のうちにゆったり座ってようという感じであった。
で、春日部到着。すぐに隣りののりばに快速がやってくる。6両編成は案の定立ち客多数。どうせだしとロケハンの意を込めて最後尾に陣取りカブリつくことにした。とりあえずこれに乗れば1800系よりだいぶ先に進めるし、とりあえず駅間で撮影ポイントを探そうということにした。
…しかし、昨日は座っていたからそうきつく思わなかったが、立つと話は別だ。昨日の新鹿沼からの帰りもそうだったが、駅間が長く感じること。というか、駅間がホントに長い。だから、撮れそうなところもたまにあるのだが、そういうところに限って「駅から歩いて何分かかる??」というようなところばかりだった。こりゃまた日光の手前くらいまで行くことになるのかな…?と思っていたところ、藤岡あたりから周囲がずっと開けている状態が続きはじめた。次の静和を過ぎると、撮り鉄がところどころ踏み切りに数人ずついる。この辺か!とピンときた。時刻表を調べると栃木でいい具合に折り返せそうだ。ということで、結局昨日同様に栃木で快速を降りた。ホームの撮り鉄は昨日より気持ち少ないようであった。20分足らずで来る南栗橋ゆきで戻ることになるが折り返しになるので、一旦改札を出た。栃木駅には6年ぶりに降りることとなる。あの時は東武が高架化してすぐぐらい、JRはまだ地上だったかと思う。市街地からは離れているようで、静かなものだった。改札に戻り、30000系でやってきた南栗橋ゆきに乗り込む。静和で降りることは確定だが、念のためもう一度先頭でカブりついて撮影ポイントをチェックしていた。
静和で下車。駅前には、商店の片手間の自転車預かりに、くたびれた駅前食堂…。雰囲気が昭和時代のままのたたずまいでひっそりとしていた。
ここから新大平下方に歩いてみる。家が固まっているエリアも少なく、ほどなく田園地帯に。そして、とある踏切でカメラをかまえることにした。
→→→撮影ポイント
ひょっとしたら微妙に違うかもしれないが(ハッキリした場所忘れた(笑))、まあ、高架道路の下をくぐり、その先数百メートルくらいの間に数か所ある踏切ならどこでも撮れそうであった。
ここでは4連の臨時「きりふり」も来るのだが、おおむね1800系しか狙いはない。ときおり来る「スペーシア」や485系、また普通電車などを撮りつつ(結局全部撮ってる(笑))1800系を待つ。光線が多少よろしくないのを除けばいいポイントなのだが、同業者が現われる様子もない。まあ、今回1800系は何も表示を出してないので、風景的に撮ってもいいのかなという気もするが。…その後、らしき人が1人車で来たのだが、やはり田園風景と絡める構図なのか、踏切からかなり離れて横がちに撮るようだった。
静和に戻る。今度は南栗橋のほうに戻るつもりだったが、次の電車は30分近くなかった…。新栃木までは毎時3本の電車があるのだが、間隔が不定で、広い間隔のところにあたっていた。お昼時だが、駅前の食堂は開いてるのかどうかも分からないような状態だし、開いててもちょっと…だしで、結局ボーッと待つことに。まあ、こういう無為な時間もたまにはいいが。しかし、腹は減る。次は南栗橋ゆきだが、南栗橋は住宅地(というほど密集もしてないが)の駅で食べるところがないのは知っている。ただ、JRと乗換駅でもある栗橋ならなんかないかなと思い、待ち焦がれた普通に乗って栗橋で下車。失敗…。満足な店はなかった。さらに20分待って次の区間快速に乗る。確信はなかったが乗降客は多いし、主要駅だし東武動物公園なら…とそこで下車。改札を出て駅の中を歩くとロッテリア発見(TーT)v。諸般の理由で(笑)マクドナルドに傾いている私だが、もともとファストフードはロッテリア派だった私。ありがとうロッテリア。ケータイクーポンで割り引いてもらってえびバーガーで空腹を一気に満たした。
さて、1800系撮影の最後は南栗橋~幸手である。昨年も「ここに大カーブがある」と知り、行ってはみたものの、思っていた構図が得られず中途半端な撮り方しかできなかった。場所的には間違いないのに…と疑問だったのだが、後からようやく「立ち位置」が違うのでは?ということに気が付いた。前回はカーブの内側から狙ったのだが、カーブの外側で構えるんじゃないか?と気づいたのである。たぶんそうだと思い、もう一度行ってみることにしたのである。
半蔵門線直通列車の終点、南栗橋。車庫もあって、液晶モニターの発車案内も設置された運転上の要衝であるが、駅周辺はあいかわらずの「区画整理は終わったけれどいまだ開発途上」という状態で、人通りも寂しい、商店もほとんどないという静かなものであった。線路沿いをしばらく歩く。10分近く歩くと線路がカーブし始める。このあたりは畑になっているので、あぜ道になる。はじめは昨年位置取りしたあたりに行ってみたのだが、やはり構図がうまくいかない。しかし、カーブはまだ畑地帯の先も続いているほどの大カーブだ。まだ幸手寄りに行ってみたら、ひょっとして…と思い、あぜ道を戻ってもう少し線路沿いの道を歩くことにした。すると…
→→→撮影ポイント
歩道のない道路上であるが、車の通りはもちろん、人通りもあまりないので大丈夫であろう。カーブ上ならほぼどこでも撮れる。地図にはないが、農業集落排水の施設があるので、そのあたりが目印である。
「きりふり」のあとは時間が30分ほど空く。ちょっとのどが渇いたなと思い、周囲をちょっと回ってみたが、店はおろか自動販売機もない。田んぼと畑と家だけの周りであった。自動精米機だったらあったけど・・・。
で、撮影ポイントに戻ってきた。そのうち車で1組同業者が来たが、少し離れたところにスタンバッていたのでお互い気にすることなく陣取っていた。
1800系の到着までもうしばらくという頃。向こうからひとりのおじさんが犬を連れてやってきた。撮り鉄経験者なら怪訝そうに見られたり、声をかけられた経験もあるだろう。このときもそうだったのだが…
「何撮りに来たの?デラ?」
…デラ?…デラ…。東武でデラって先代特急車のDRCしか思いつかないが、ってことはスペーシアのことか?東武沿線の人ってそんな言い方するのか??と「?」が7つくらい浮かんだが、さて、何を撮りに来たって「1800系」なんて言ってもわかんないだろうけど、まあ、いいかと「1800系を…」と言うと怪訝そうに
「イチハチ!?」
…おいおい。1800系をイチハチなんて呼ぶのは業界に通じてないと知らんぞ。同業者か…と思ったら、
「いや、昔ここの運転士でね~」
本物じゃないか…。驚いてしまった。ま、元運転士さんならイチハチで驚くのは納得できる。このあたりを走った経歴がないのだから。なぜか連れて来た犬が動こうとしないので(笑)、しばらく談笑させていただいた。日光の方にはトンネルと花を絡めて好ポイントがあること。昔からヒヤッとするような撮り鉄がいたこと。最近の前照灯の点灯について(笑)。ふつうの近所の人にかみくだいて話すのも楽しいが、元関係者の方とお話できたのも大変貴重な経験。笑顔で別れさせていただいた。見てないと思いますが、その節はありがとうございました。
17時を回った。板倉東洋大前の時刻からおじさんがだいたいあと何分と言われた頃の時間に赤い車体がカーブを曲がってきた。
こうして、1800系は私の元を去っていった。次はいつ走るだろうか。今度も快速電車か、団体列車か、それとも…。もし、可能ならまたぜひ真紅のカッコイイ電車を撮りに行きたいものである。
…とまあ悠長にはしていられない。東京発19時33分発の「のぞみ95号」姫路ゆきをエクスプレス予約で取ってあるのだ。今は17時半前。43分発の区間快速に乗れば北千住に18時22分には着ける。…のだが、北千住でヤボ用があるのだ(鉄ではない)。ので、慌てて南栗橋駅に戻り、確実に区間快速に乗る。道中ではひたすら時刻表で北千住から先のことばかり調べていた。エクスプレス予約ならギリギリまで変更可能なのだが、そんな余裕がなかった。
北千住に着き、早足で駅を出ると、この駅デケッ!!!何度も通ったりしていたのだが、そういえば駅舎から出たことがなかった。ルミネのどでかい建物に圧倒され、さらに駅周辺もビルが立ち並んでいる。北千住ってこんな大きな街だったのか…と今更にして思い知らされた。
用事終了。時計は18時半をとうにまわっている。残り1時間を切った。ここは変に考えず快速電車で上野まで行ってしまうのがいいだろう。ホームに降りるとほどなく快速到着。車内は空いていて座れたが、余裕はまるでなし。早く着いてくれの一心であった。常磐線なので地上ホームに到着し、高架の山手・京浜東北線ホームへ急ぐ。この時間はどっちに乗っても一緒なので、先に来た京浜東北線の電車で東京に滑り込む。時間は…残り30分を切った。さあ今度はお土産だ!そして夕食にありつけないから駅弁だ!と売店を回り(新幹線の方はロクなのがないイメージがあったので在来線側で買った、しかし何買ったっけ(笑))、ようやく新幹線乗り換え改札口に入ると約15分前だった。…最後の最後でこんなに慌てるとは。
「のぞみ95号」の車内はほぼびっしり埋まっている。あいかわらずの混雑ぶりで身動きもとりにくい。「のぞみ」は新神戸までで、あとは「こだま」自由席と勝手に割り振られていた(運賃の関係だろう)。約3時間だが、何をするでもなく流れる街の灯をボーッと眺めて過ごした。新神戸であいかわらずガラガラの「こだま」に乗り換える。もうあとわずか。寝過ごすことだけはできないから寝ないようにするが、程よく疲れを感じ、シーンとした人の少ない空間で、おまけに座席はフカフカの2列シート。寝たくなる(笑)。旅の終わりが近づいてはいるが、感傷にひたるというよりは睡魔と闘うような最後のひとときであった。