宝塚ホテル・阪急部品セール |
宝塚ホテル http://www.takarazuka-hotel.com/
宝塚ホテルは大正15年の創業という歴史あるホテルである。確かに阪急系列の一員なので阪急電車関連のイベントをやるのもわからないではないが、なぜこんなちゃんとしたホテルで電車の部品を売るのかは謎である。しかし毎年のように行われ続けている。ただ、昔は本当に部品セールしかなかったのが、最近は阪急バスを呼んできたり、グッズ販売や写真展を併設するなどちょっとした乗り物イベントにはなっている。大学時代に1度行ったことはあるのだが、ひさびさに行って見たくなった。ついでに8月上旬に雨で撮れなかった阪急もちょっと撮ろうと思う。
さて、「青春18きっぷ」があるので大阪までは新快速。またヨドバシカメラだの旭屋書店に軽く寄ってから阪急梅田駅へ。改札前までは何度か来たが、阪急に乗るのはひさしぶりだ。大学時代は腐るほど通学に使っていたが、最近は私鉄で大阪に出るときは決まって阪神になっている。大学時代の反動…ではなく直通特急で来るからだが。
ラガールビジョンは健在だが、ホームの発車案内はフルカラーLEDに変わっている。京都線ホームにたくさんおいてあった運行標識は本線運用の非表示幕車が消滅してからは数えるほどしか残っていない。まあ、でも変化はそんなもんかと思ってたら「アッ!!」と驚く光景…
あ!「阪急そば」がある!!!
小腹が空いたらよく十三で食べていた「阪急そば」が梅田に…。京都線の1号線乗車ホームの横の壁がぶち抜かれ、そこに「阪急そば」ができていた。しかし何で今更できるの?という気がするのだが??
さて、部品セールの目玉は電車の先頭に取り付ける行先を書いた板(上参照)「運行標識」である。しかし、阪急は支線区用車両にまだ方向幕をつけていない電車が若干残っているため、運行標識がまだ現役で使われているところがある。今回の撮影ではそんな運行標識をつけた電車を撮ろうと思う。まずは神戸線塚口から伊丹までの伊丹線。梅田から普通で塚口、そして伊丹線のりばへ向かう。伊丹線は複線だが塚口ののりばは線路1本という変わった構造である。短い支線だが10分毎に走り、結構乗客も多い。1駅先の稲野で下車。乗った電車も運行標識つきなので待ってればそのうち撮れる。ただ問題は雨が降っているのだ。
この日は天気予報も悪かったのだが、強行した。大阪についた頃はまだ降っていなかったが撮ろうかと思ったら神戸線に乗った頃から降りだした。ただ、大雨でもないしせっかく来たしと、
時間は11時半過ぎ。お昼を食べてもいい頃なので、宝塚方面の通称「今津北線」側6・7号線ホームに降りる。ここにも「阪急そば」がある。ちなみに、「マクドナルド」もあったのだがいつのまにか違う店に変わっていた。
一口に「阪急そば」といっても店の形態は実はさまざま。そもそも何店あるのかもわからない。ホームにあったり、改札外にも結構ある。完全なセルフ・立ち食いの十三は珍しい方で、食券制だけどカウンターで座って食べるところも多い。そして、この西宮北口は非セルフのふつうのそば屋さん。おばちゃんが注文を聞きに来るので海老天そばにかやくごはん(=炊き込みごはん)のセットを頼む。500円ちょっとだったか。そばつゆの味は前とそんなに変わってない懐かしい味。ま、立ち食いで食べてたのを席に座ってゆっくりというのも落ち着かないのだが。窓から今津線の電車が見えるのでどうしてもチラチラと目がそっちに行ってしまう。そそくさと食べ終え、6両編成の宝塚ゆきに乗り込んだ。
さて、今津北線も方向幕のない車両が何編成かある。しかも6両編成と少々長いので絵になる。まず仁川で降りてみる。撮れそう…と思ったが折り返し線の設備が邪魔でイマイチであった。ちなみに仁川は阪神競馬場の最寄りであり、競馬開催日には仁川折り返しの普通が増発される。この場合、運行標識は模様のついた区間運転タイプが使われるのでいずれこれも抑えておきたいところ。さらにGⅠレース開催となれば梅田~仁川間の臨時急行まで運転され、仁川折り返しも増発。行くならGⅠの日だが…。なお、仁川には臨時急行運転のときだけ使われる発車案内の行灯があることも付記しておく。
撮れそうなところ…と探すが見当たらず、結局ホテル最寄の宝塚南口へ着いてしまった。と思ったら…
さて、いよいよ宝塚ホテルである。駅のすぐそばだ。玄関前には阪急バスがイベントに呼ばれて路線、高速各1台ずつ止まっており、車内見学とかを待つ列ができていた。ま、バスにはさほど興味もないのでホテルの中へ。相変わらず電車のイベントには不釣り合いなひとクラス上の雰囲気である。結婚式の招待と思しき礼服の人たちやカフェでくつろぐご夫人たちのそばを電車イベント目当てのTシャツやジーパンの親子連れや男がぞろぞろうろつくのもまた滑稽ではあるが。順路に従って会場へと上がる。
エレーベーターで会場の階に上がると目の前では鉄道模型の運転会が開かれていた。巨大なレイアウトが2つ。子供やら家族連れが見物していた。阪急沿線の私立校の鉄道研究クラブが運営しているようで、研究発表やら会報も展示されていた。大学鉄研の学園祭ブースとあんまかわらんなあ…。大学ならともかく中学や高校に鉄道研究クラブというのも珍しいと思いきや、私立校だとチラホラと見られるようである。さて、宴会場を利用した会場は2分割され、片方は部品セールではなく、展示やらグッズの物販がメイン。同じ阪急グループということで北大阪急行や神戸電鉄などもグッズを売っていた。そのほか、工場公開でよく見られる乗用の模型電車や写真展、お子様向けのふつうのミニゲームが設けられており、子供が飽きないように趣向が凝らされていた。グッズは後でじっくり見ることにして、いよいよ隣の部品セールの会場へ向かう。
会場は正面に目玉商品、右側にその他商品。そして、多数のイスがセッティングされているお馴染みの光景。時間までは見学していいので見ていったのだが…
しまった…
方向幕は電鉄もののほとんどが「もう持っている」(笑)、運行標識は数が相当に少ない、ほかのものもあまり目ぼしいものがない…。売るものが減ってるんだろうな…。正直帰ろうかとも思ったが、いやでもせっかく来たしといることにした。ま、この部品セールには名物があるのだ。
それは、司会の人。宝塚ホテルの見た目柔和なベテランのホテルマンである。もう大昔からこのイベントの司会をしている方で話術がなかなか巧みである。この方の司会ぶりを見てるだけでも価値はある。
さて、宝塚ホテル部品セールのルールは1人1枚配られる抽選券に番号が振られており、司会者が引いたくじの番号と一致すれば購入権が得られる。完全運任せのまあまあ平等なルールである。目玉商品は1人1点の限定がかけられたが、あとは自由でいよいよスタート。
くじを引くのは基本的には司会の方。ただ、淡々と引くのも面白くないしダレるということか、頻繁に参加者に引かせるのである。「前の人、自分で引いてみる?」とか「よし、じゃあ自分の番号引いてみよう!」という感じで。他にも「遠くから来た人!」と会場に呼びかけてみたり。実際長野やら東京といった遠方から来た人もいた。特典はくじを引くことなのだが(笑)。で、自分で引いて当たるわけがない。で、また当たった人を見て「あ、お父さんここ20年来お越しで!」(実際部品系イベントでよく見る人だった)とフォローすることも忘れない。ま、だてに長いことしてないなという手慣れた司会であった。ま、司会の研究しているって事は私は全然当たらないわけで…。
かなり時間がたち、だいぶ呼ばれたが、まだ当たらない。そのうちに「促進ルール」とでもいうべきルール変更。1枚くじを引き、下1ケタが同じ番号の人が当選、順番はくじを引いた人を先頭にあとは誕生日順(自己申告なのだが)という形式になった。下1ケタが同じ人が全員当たるのですぐ当たると思いきや当たらない(T_T)もう大したものも残ってない状態でどっちでもいいのだが、よりによって当たるときはくじの番号が呼ばれるし。特別ルールの意味がない。ま、とりあえず当たったので商品を選ぶことにする。電車の方向幕はわずかに残っていたが、目ぼしいのもない。他もなんかいまいちだし…。ということで、やたら大量に売られている阪急バスの方向幕にした。
学生時代この会社でちょっとアルバイトさせてもらったことがあったので縁もゆかりもないわけではない。また、阪急バスの方向幕は変に凝っているというか洗練されているので気にはなっていたので川西市周辺のニュータウン地域主に管轄する清和台営業所の側面用のものを購入することにした(2500円)。バス幕は何点でもOKなのだが、バスの幕は側面でも1コマあたりの表示幅が電車の比ではないのでロールが太く何点も買えるものではなかった、というより清和台ものしかなかったのだが…。ま、一点買ったしまあいいだろうと再びグッズ販売のブースへ戻ることにした。
鉄道グッズというのも近年は意外に売れるので会社の大小問わずいろんな会社が出しまくっている。チョロQ、キーホルダー、ストラップなどが定番だが、その中でも阪急はものすごく意欲的で定番物以外にもありとあらゆるものを開発したりしている。で、阪急のイベントで私がいつもつい買ってしまうものがある。
運行標識ミニチュアマグネット
この項のはじめの写真で紹介した運行標識板。実物を部品セールなどで買うとなると最近は阪急なら普通系統で最低1万7~8千円、特急やレアな標識板になると5万円を超えるもの(近年入札形式で販売されるためこうなる)も珍しくはない。それほどの人気がある。なら、本物は買えなくても気分だけでもということで、運行標識のデザインを忠実に再現したマグネットワッペンが何年か前から売られ始めた。もともとこの「運行標識ミニチュア」自体、関西の大手私鉄では古くからグッズとして売店などで売っていたそうで、その復刻版といえなくもない(当時はアルミや鉄板で作られたホントのレプリカだった)。この「ミニチュアマグネット」、はじめは南海のイベントで出たと記憶しているが、すごぶる好評であっという間に在阪大手各社で売られるようになった(阪神は子会社の武庫川車両メンテナンスが作った程度、近鉄はインターネット通販以外では限定販売だけで終わってしまったが)。阪急はまだ本物も現役で残っているが、マニア心を確実につかんでいるのか、なんと現行様式のマグネットだけでも80種類以上、記念ヘッドマークや旧様式の古いものを入れるとゆうに100種類以上ラインナップ、それも実際には使われていない緊急事態の予備の予備でいちおう作ったようなものまで製品化している。ところがこういうのにマニアは惹かれるんだわ(笑)。ミニチュアマグネットについてはまたまとめてみたいと思うが(以前サイトでやろうとしたが失敗した(泣))、1枚350円と手を出しやすい値段に引かれて子供連れは1~2枚買い、私みたいなのは誘惑に負けて…あーあ。今回もこれだけに2000円近く使ったような気がする。
さて、ようやく終了。方向幕の入った袋をぶら下げて撮影に戻る。宝塚南口でもう1枚非表示幕車を撮ってから宝塚へ行き、宝塚線へ。JRとのスピード競争をやめて昼間に新規設定した快速急行で箕面線へと向かう。快速急行といってもだいぶ停車駅は多い。箕面線の接続駅である石橋までは3つ飛ばして4つ止まるので「快速急行」というイメージではない。まあ、最近の阪急は概してそうだが…。
箕面線は初乗車になる。10分間隔で運転されているので桜井で撮り、牧落で撮りと駅撮りを2回効率よく実行し撮影も全行程終了。余談だが、この日箕面ではハイキングに来た団体がスズメバチにさされたとニュースでやっており、箕面駅の映像が出てきた。箕面で折り返してきたとき電車にはハイキング姿の子供の団体がいた。まさか・・・?
ふと思ったが、方向幕これで何本になったんだろう・・・なんか数えるのが怖い(笑)