起きたのは4時台…。いよいよ即売会当日。はやる気持ちは抑えられず…というか、画像のこれをちょっと見てみたい気持ちもあったからだが、名鉄名古屋のプラズマディスプレイがこんな表示を出している時間帯にはもう活動開始である。この列車、当初は「全車一般車特急」として設定され、運用変更でパノラマカーが入ったこともあったらしいが、その後停車駅はそのままで快速急行に種別変更されている。
さすがに人はまばらな空港ゆき快速急行
さて、これを見送ったあと、犬山方面1番列車となる急行犬山経由で一路犬山遊園へ。途中駅に止まるたび、12月の寒々しい空気が流れ込み、イベント参加で盛り上がった体と、ボーッとした眠気がごちゃまぜになってなんとも変な感覚である。で、犬山遊園には6時過ぎには到着した。いつもの通り、駅横にある建物が会場である。改札を出ると、出迎えてくれたのがこれ(笑)。明らかにやっつけではない。駅に設置されている自立式の駅名標を、完全なる即売会バージョンにして我々を待ってくれていた。これは今年も名鉄の気合は半端なもんじゃない。そう確信し、期待はさらに増した。
6時半にもなっていないが既に順番待ちの人だかりはできていた。やはり系統板や希少な車両部品を出す「特選販売コーナー」が抽選制となったことで、以前よりも若干少なくなった感はあるし、また、早く並んでも抽選の妙で一気に数百番台まで落とされる懸念もあるから、決して早く並ぶことは有利ではないし、むしろ精神衛生上リスクだらけな気がするのだが、それでも気合の入った人達はおとなしく待っていた。まあ、私もそうなんだが(笑)。
電車がやってくるたびに人の数はどんどん増え、列は伸びていく。犬山遊園駅前の広場は有料駐車場になっているが、そこも既に大盛況である。8時の抽選会開始時には余裕で300人以上が並んだのではないかと思う。8時手前にいつもの緑のスタジャンに身を包んだ名鉄イベントではおなじみのスタッフさん達が登場。でも、いつもオークションで絶妙な司会を見せてくれていた方の姿が見えずちょっと残念。そして、いよいよ抽選。前の方から絶叫とも悲鳴とも取れる声や動きが見られる中いよいよ私の番。たいていこういう時はロクな目に合わない。だいたい50~60人目くらいだったので、せめて2ケタにはとどまっていてくれ…と願いながら抽選箱から1枚紙を取り出す。
ん・・・まあこれならOKOK。ほぼ現状維持で落ち着いた。ちなみに、あとで何気に裏をひっくり返すと、そこには7100系のイラストが入っていた。しかも、どうやらこの裏のイラストには何種類もあったらしい。…さすが名鉄のイベントはこういう細かいところに気を配らせたら天下一品である(笑)。
特選販売の入場順番も決まり、仲間でわいわいとやる人、特選に見切りを付けて一般販売狙いで列に並ぶ人とそれぞれの作戦を胸に秘めつつ、時間が過ぎてゆく。そして、名鉄ならではの「特選販売コーナー内覧会」が9時からはじめる。例年通り、大人数の購入希望者を手早く進めていくために、コーナーの販売品を順次みてもらうのである。これにより、希望者全員が販売品に何があるのか知ることができ、作戦も立てられるし、「そもそも何があったのかすらわからない」というストレスの解消にもつながる。特選販売の抽選番号順にいつもの建物へ入場。ちなみに、入り口前には
見張り番のように一般用ブック式逆富士が鎮座していた。・・・鎮座という割には地べたに置かれ、折りたたみ机が支えという大事にされてるのかどうかいまいち微妙な扱いであるが(笑)。
さて、もう言葉はいるまい。特選販売コーナーの一部である。
2009年はパノラマカーの廃車の最終段階であったこと、また、車両の更新等もあり、昨年同様ひっくり返るようなラインアップであった。さらに、
案内看板に混じって大きなボードが1枚。一目で「発車案内行灯の表示枠」であることがわかる。内容的に見て岐阜の各務原線ホームに設置されていたっぽい内容である(現物をみたことがないのでなんともいえないが…)。そして、各種プレート類に混じって太田川駅の発車案内行灯の表示枠。太田川駅は高架化のため昨年仮駅となっていたが、すぐに解体されていなかったため、去年の即売には間に合わなかったというだけのよう。名古屋方面のもののうち、名古屋方に設置されていた小型のものの枠が出ていた。・・・まあ、これはかなり迷ったのだが…。しかし、やっぱり今年もこれがメインである。
パタパタ発車案内である。2009年も何駅かLED化により姿を消していたことは認識していた。そういえば「ミュースカイ」が種別化されたので、今までの販売品にはなかった「ミュースカイ」コマが装備されている装置がそれをさかんにアピールしている。…しかし、私は左の画像の一番上に目が止まった。これは見覚えがある。昨年、事前発表のないサプライズ出品でオークションに出た知多半田の発車案内である。常滑・河和・知多新線は特別停車が多い上に、駅がなくなるまで「椋岡通過」があったり、行先も豊富、おまけに知多半田駅の構造上上下線とも表示が入っていることが確実、こんなオイシイ装置ほかにはない!という逸品だったのだが、昨年はこれを見つける前に犬山線江南の装置を買っていたため見送らざるを得ず。が、なぜかその後も単発イベントのオークションとかでこれが出たというネット上の情報もあり、もう無理か…と思っていたところの思わぬ登場。価値をわかっている人がいるならば先に買われても仕方がない。でも…去年結局50番くらいでもパタパタを1番手に買えたしひょっとすると…と即売会恒例の頭の中であれこれと考えがぐるぐるめぐる状態となった。行く前は「今年は系統板かな…」と思っていたが、これで文句なしの1番候補決定である。あとは、残っているかどうか…。
10時前になり特選販売組に召集がかかり、列に並ぶ。しばらく待っていると中学生くらいの子が声をかけてきた。向こうもヒマなので適当に声をかけてきたのだろう。何を買うのかと言う話になって、その子が「パタパタ」だと言ったので、ギョッとした。しかも「お小遣いをためてそれを狙ってきた」という。…俺中学生の頃どんなに小遣いためて頑張ってもここのパタパタ買えるくらいの額は無理だったぞ(笑)。まさか、狙ってる知多半田のやつを。。。って中学生相手にマジになってどうするって感じだが、順番に並んでいる以上、購入の権利はこの彼が先。ちなみに知多半田は発車時刻や両数表示も付いてるので4万5千円、ほかのもの(種別・行先・備考はおそらく西春だったか、種別・行先だけのはどこだろう…)が3万5千円となっていた。この彼が何を買うのか…その1点だけが気になった。
販売スタート。他のイベントとは違い、入場は30秒ずつに1人。場所が広いので多少人数がたまっても大丈夫なのである。徐々に順番が近づいてくる。いよいよ入場。前の彼はやはりパタパタのラックへ進んでいた。…「おっさんなんだから、大人気ないことしないで、ちゃんとしよう(笑)」。と冷静に前の方へ進む(いや、いつも部品イベントでは冷静を心がけてますよw)。結果、その彼は知多半田ではない別のパタパタを所望。ほかに希望者なし。大丈夫だ。係の人に購入を告げる。
…やった。やりました。1年待った末についに念願の知多半田のパタパタゲット…。もうこれで達成感に満ち溢れた。ちなみに画像の通りセットであることを示すために1連に紐でつながれており、バラせないので、カートに乗っけてレジまで運ぶことになった。目立つ…(笑)。さて、特選販売は2品まで買えるからもう1つだ。というものの、なんか気が半分抜けている感じ。もちろん系統板なんだが、やはり先行で入っている人にほどほどの値段のめぼしい物は買われてしまっており、「うーん・・・」と考える。思い入れのないものを買ってもしょうがないし…と考えた末、そういやよくパノラマカーの普通運用でこの行先見たよな…と思い、「岩倉/常滑」のP板(パノラマカー専用の系統板)にした。1万円。まあ、P板を使う車両はないんだし、もう在庫が尽きればおしまい。この値もいたしかたないか、いう感じであった(これを書いているのは2011年5月。2010年の即売の経験後なので、今にして思うと、これでも安かったんだと思えてしまう)。ということで、ひとまずパタパタは発送することにしてもらい、手続きを終えて特選コーナーを後にした。
さて、このあと一般販売へ。
いつものように小物や方向幕、スタフが各種取り揃えられていた。これまでの即売会で一般車向けのあらかたの種類は確保できていたが、「中部国際空港」のない英字入り幕がまだ確保できていなかったので、それを探す。もう使われていないバージョンなので、簡単に見つかるとおもいきや、ほとんどの幕は英字のないバージョン。幕に刻印されている製造時期をチェックし、もしやと思ったものを開きながら探した結果、ようやく側面のものが1つ見つかるという感じであった。さて、一般販売コーナーには今回こんな企画が。
空港線開業で「中部国際空港」の系統板が作られたものの、どういうわけか、紙貼りされた「中部国際空港」板が初期の頃見られた。そのうちの1枚を「紙の下に書いてある行先を予想して、金額を入札したら、誤字脱字なく書いた正解者の中で一番高値を書いた人が落札」というクイズが行われた。裏面を見せれば大ヒントになるためそれもなし。勘を頼りにということになる。…こういうのは面白い。あれこれ想像してしまう。で、考えすぎに考えすぎた結果「新名古屋」と書いておいた。…ホントだったらすごいやん(笑)。
さて、いちおう一般も見れたので、もういちど特選販売へ再入場。スタートから1時間以上経過しており、もう系統板系は高額な割には内容が…なものしか残っていない。で、眺めてみると、名鉄名古屋駅の壁にかかっている乗車目標看板が何枚か売れ残っていた。紫色の「津島・弥富方面」である。快急までしか種別表示がなく、一部特別車特急の乗り入れがはじまったことで合わなくなったため撤去となったのだろう。運行体系が変らないと出てこないし、個人的に名古屋の案内体系は好きなので、「購入は1回2つまで」の上限いっぱいで「13番」と「24番」の2つを購入。まあ、「○色の13番から24番で~お待ちください」というフレーズは、豊橋とか知多方面のフレーズなんだけど。てことで、
こういう感じに。まあ、なんにせよ知多半田のパタパタで大満足というところであった。
さて、午後からのオークションの品はこちら。
パノラマカーの最終運転後初の即売会であり、またモノレールの廃止もあって、その絡みのものが多数出された。特に、この1年は「ありがとうパノラマカー」企画で多数のイベント列車が運転され、その関係の特製系統板も多く出された。まあしかし、これらを落とすのはなかなかの財力が必要である。こういうのは最初から諦めが肝心である。
午後1時。いつものように軽トラックの荷台をステージに、オークションが開始。司会は去年までの方ではなかったが、各種イベントでスタッフとしていた方。まあそれでも、盛り上げよう盛り上げようとする意気込みは感じられた。
というわけで、商品がどんどん落札されていった。今回、パノラマカーの行先表示器は序盤に一般用逆富士ブック式(7041)、特急用小富士電動(7011)、一般用逆富士電動、特急用小富士ブック式が序盤、中盤、終盤と分けて競りに掛けられ、それぞれ81万、170万(!!、史上最高)、86万、131万で落とされた。そのほか、各種の系統板や引退車両のナンバー、ヘッドマークなどとラインナップはいつもと同様。まあ、今回はパノラマカーの終焉直後と言うこともあって、全体的に過熱気味なとこもあったが、一方で、高値必至に見えるものが「お?そこで終わり?」という感じで終わったものも散見された。
まあ、私は系統板なんかは落とせばラッキー程度で少しだけ声を出したりもしたのだがなかなかうまくいかず。しかし、一つだけ本気を出したものがあった。このオークションは例年通り口座振替後払いOKのシステムがあるが、それでもいいくらいのつもりでチャレンジした。しかし…1対1に持ち込んだのになお相手の方が上手。値段的にも根気的にもアウトだった。…なんというか、こういうのって精力を使ってるんだろう、負けが決まったところでなんだかすごい疲労感を感じた。パタパタを買えた喜び(笑)まで持って行かれた感じであった。
さて、ちなみに、紙貼り系統板「中部国際空港」の下にあったのは「豊明」だった。…ふつー(笑)。ところが、豊明の裏は「犬山経由 岐阜」が紙貼りされ、めくると「新一宮」の文字。「新一宮/豊明」なんてなかなかレアものじゃないですか…。落札額は3400円だったという…。これ即売品だったら10倍くらいついてたやつかも。
来年には7700系が最後の時を迎える。また、パノラマカー絡みのものもまだ出てくるであろう。まあ、今度は系統板狙いかな。