2009年 05月 23日
鉄コレ9弾・山陽702編成 |
山陽電鉄700形は終戦直後の戦災被害と物資不足で満足に電車を走らせることすらままならなかった山陽が、窮余の策として国鉄モハ63形車両の投入を申請(この当時は物資不足もあってこの形式しか作れないようになっていた)、もともと軌道線だった区間もある山陽が20m級4扉通勤車を導入することは設備的に難があったのだが、段階的に整備を進め、やがて全線での走行が可能になったという経緯があり、ひいてはこの車両の導入が山陽の設備向上とその後の阪神・阪急との相互直通の実現につながったといわれている。
ただ、国鉄モハ63自体は戦時中の車両ともあって粗悪なつくりであり、800形として一旦そのまま導入するも、徐々に質的向上を図り、700形へ改番。さらにこの702-709だけは大幅な車体更新も図られている。ということで、山陽700形といっても、この姿をしているのはこの1本だけなのでブラインド販売の鉄コレゆえ、ダブりの懸念もある。一方、鉄コレの醍醐味は「改造」だが、タネ車とするにもこのスタイルでは類似が見当たらず、さりとて個性も強いため微妙な位置づけだった(実際1両ダブった)。
しかし、地元といってもいい山陽であるし、黄色がかったクリームとネイビーブルーの旧塗装はカッコいい。まあ最低限のディティールアップでも…まずパンタと車輪の金属パーツ化を検討して調べているとハタと気がついた。前照灯と側面の窓がマズい。できれば時代が新しい(といっても生まれる前の1977年に廃車になっている上、末期は半ば休車状態であったともいうし)姿にしておこうとすると、前照灯はブタ鼻タイプの「2灯シールドビーム」になっているし、側面の開閉可能な窓には乗り出しを防ぐ「保護棒」が必要なのだ。
てことで、こわごわながら小改造を施す。まず、窓パーツを全部外すのだが、これがなかなか外れない。先頭のガラスと側面のガラスが接していて、これが窓を固定している。どんなにグリグリとやってもラチがあかず、結果、窓パーツを切断。ようやく取り出せた。
そして、前面の前照灯のモールドを切り取って、銀河モデルの「2灯シールドビーム」パーツに変える。このモールドの除去が大問題である。通常なら塗装を落として、ナイフやヤスリでキレイに落とせばいいのだが、山陽の旧塗装は微妙な色合いをしており、市販のスプレーではあの色は出にくい。反面、こちらはエアブラシもないので色を調合するなんて不可能。ということで、細心の注意を払って、モールド以外に刃が飛ばないように慎重にしたのだが…そううまくは行かないんですわorz・・・。
by tetsuradiq
| 2009-05-23 22:50
| 鉄道模型